鋳造業界の分業化が進む中で、業態も鋳型を専門に製造する、鋳型製造業(中子を含む)が出現し着実に成長をとげ、我国の基幹産業である輸送用機械器具、電気機械等の一役を担うまでになってまいりました。
鋳型製造専門業はご高承のとおり、日本産業分類に「鋳型製造業」(中子を含む)として昭和59年1月改訂の際に設定いただきましたが、“主としてけい砂により鋳造用鋳型・中子を製造する事業所という”とあります。
これの目的は鋳物製品を造るために、各種造型法を用いて成型業務を営む事業所に該当することであり、鋳造関係の一部と解するが妥当を思われるにも関わらず、業種分類の中分類では「窯業・土石製品製造業」の中に位置付けされているのが現状であります。
このことは税制上の措置、労働保険料の適用料率、設備近代化資金、雇用対策等各種の政府施策が、我々の業種に反映されない状況も出ています。しかし、残念ながらこの業界の実態を、我々自身があまりにも無知なる事も認めざるを得ない事実であります。今後は行政関係各省庁と折衝を開始するにあたっても、業界を充分に理解し各種資料等を整備された、団体づくりが必要となってまいりました。
最近の鋳造業における近代化合理化は、鋳型製造業においてもより一層求められてきております。これらを促進する一方情報交換、技術の研究開発にも全力を傾注しなければならず、個々の独善的な経済活動から、共同してこれらに対応し需要先に供給することが極めて重要となってきております。
我々の鋳型製造業者は、中小零細企業が多く一致団結を図るに前途多難でありますが、既に、県又は地域で組織の確立をされたところもあります。又、先般は志を同じくする全国の企業30数社で名古屋と横浜において社団法人日本鋳造技術協会(JACT)のご指導を仰ぎ、現状諸問題の確認と今後の対応等意見調整の場を持つことができました。
専業として産声をあげ30有余年が経過しております。これを契機に事業の存続と繁栄をかけ、全国レベルでの団結に向け邁進したいと考えますので事情ご賢察の上、ご賛同賜りますよう切望する次第でございます。
尚、本会は鋳型製造業者の地位の確立と向上を期し、諸問題の解決に向け情報交換の場を持ち、関係省庁に強力な折衝を行ない施策に反映させる為に団結を計ることを目的とするものであります。